今年も年の瀬になりました。
JSPO-ATを目指す方々、今年理論試験を受験した方々は、そろそろ理論試験の結果が出ているころだと思います。

理論試験の合格率は20~30%と言われており、その試験問題は基礎と応用合わせて220問、5肢選択問題、正答率概ね7割以上(必修問題は8割以上)という試験です。
毎年毎年、理論試験の傾向も少しずつ変化しており、私も2023年度の試験問題を見ましたが、うーん、かなり難しい…

この理論試験に合格すると、実技検定に進むことができます。年明け、年度末に実施されるのですが、それに向けても対策が必要になってきます。
現状のカリキュラムであれば、3つのカテゴリーの実技検定を受けます。各カテゴリーをpassしなければ合格ということにはなりません。
私が受験した当時は、カテゴリーは4つで検定員の先生の口頭試問もありました。口頭試問に手こずった方、口頭試問に答えられず悔しい経験をした方も多かったと記憶しています。

現在は口頭試問が無くなり、出された課題に対して、受験者がひたすら競技者モデルに対して実施するというやり方です。
現状の方法が良いのか悪いのかは別として、ATとして最低限必要な技量であったり、コミュニケーション能力を評価されているのです。
日本スポーツ協会の実施要項には、以下のように記載されています。

評価基準:
「アスレティックトレーナーが備えるべき知識、理論及び基本的な実技を基盤として、現場で安全に業務を遂行しうる基本的な実技及び指導を実践できるか」を評価する。
実技試験全体に共通する評価のポイントは下記の2つとする。

(1)競技者とのコミュニケーションを前提としたアスレティックトレーナーに必要な技術を有しているか。
(2)アスレティックトレーナーが備えるべき知識・理論を基盤として実施される基本的実技及び指導が安全を確保できる許容範囲であるか。

 


たった30分で、その人のATとしての資質を評価されるというのもなかなか難しいところではあるのですが、現状はこのようなスタイルで実施されています。
そして、実技検定の合格率は、70%程度。つまり、毎年1500名程度受験して、理論試験に合格して最終的に実技検定まで合格するのが300名程度ということになり、この数字は、この数年ほぼ横ばいです。
こうやってみると、実技検定と同時期に実施される医療系の国家試験(理学療法士や鍼灸師、柔道整復師)の合格率に比べるとかなり合格率が低い… なかなか狭き門です。

さらに、受験期間も決められており

実技試験
受験有効期間は受験申込年度から4カ年度とし、受験機会は2回までとする。
2回目の試験に合格していない者で再度現場実習(180時間)を終えた者は、現カリキュラムにおける試験を実施する限り、実技試験の受験資格を得ることができる。
但し、受験有効期間内に3回以上受験することはできない。


となっています。
2回受験に失敗すると、また現場実習からやり直しということになり、チャレンジする気力も根気もかなり必要になってきます。きっと途中であきらめてしまう人もいるのでないかと想像します。

なので、やるからには一発で決める、合格する。
そのためにしっかり準備、勉強をする必要があります。日頃のちょっとした積み重ねが大切なのではないでしょうか?

専門学校2年、大学4年、限られた時間の中で、効率よく勉強をすること、AT検定試験に合格することが目的ではないのですが、ATを職として考えた時にどうしても必要な資格である以上、最低限の知識や技量は備えておかねばいけません。

 



  >>> 井澤ブログ 一覧はこちら