アスレティックトレーナーの必須アイテムであり、身につけておかねばならないスキルとしても重要なテーピング。今回は、テーピングについてです。

そもそも、テーピングっていつの時代から、いつごろから使われるようになったのか?
諸説あるようですが、古代ギリシャや古代ローマ時代には、競技者や戦士が怪我や疲労から身を守るために布や革などを身体に巻き付けることが行われていたようで、身体をサポートし怪我や筋肉の疲労を軽減するための方法でこれが起源だとされるものや、今から約150年前にアメリカ南北戦争で負傷した兵士の患部を梱包用テープで固定したことが起源だとするものなど様々なようです。いずれにしても、身体に何かを「巻く」ということが起源と言えそうです。

現代のテーピングは、種類も様々、巻く部位、用途、目的などによって使い分けされています。そして、選手の要望に応え、オーダーメイドの巻き方ができるかどうかが、我々アスレティックトレーナーの腕の見せ所です。当然、様々な種類のテープの巻き方について熟知していなければなりません。

私が新米のトレーナーだった頃は、今考えると巻き方のレパートリーも少なく、ひたすら非伸縮テープを使用して、足関節などはガッチガチに巻いていた記憶があります。しかし、選手から「きつ過ぎる、もう少し動くようにして」とか「この動きだけ制限して」などのリクエストに何とか応えなければいけないと思い、「あーでもない、こーでもない」と考えながら巻き方を研究した記憶があります。
 


JSPO-AT実技検定のテーピングで使用されるテープは、アンダーラップ、非伸縮性テープ(いわゆるホワイトテープ)ハード伸縮テープ、ソフト伸縮テープです。アスレティックトレーナーとして、まずはこれらのテープを使ったテーピングの方法を授業や現場実習を通して習得する必要があります。

「テーピングは巻いてなんぼ」

巻いた数だけ上手くなれますし、巻くスピード、テンションのかけ方や制限をかけるコツなどは巻かないと習得できません。
私は、アメリカンフットボールやラグビーの現場で多くの選手の身体に巻かせていただき、技術を磨くことができました。選手たちには感謝しかありません。

一体今までどれくらいの長さのテープを巻いたのか? ちょっと計算してみました。
通常足関節のテーピングで使用する38mmの非伸縮テープは12mです。
毎日1本使用したとして、週6日×4週×12か月×30年として計算すると・・・

12m×6×4×12×30=103,680m

ちょうど箱根駅伝の往路(107.5㎞)より少し短いくらいです。自分的にはもっと巻いている気でいましたが・・・

さて、昨今、スポーツの様々な場面で良く見られるのが、キネシオロジーテープです。
アンダーラップを巻かずに、直接肌に貼付するキネシオロジーテープ。次回はこのキネシオロジーテープについてお伝えしたいと思います。

 



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