セブンズの合宿に行ったら、
アメフトの40ヤード走でベストが出た(栗原)
ーお二人はそれぞれの競技のトップ選手でありつつ、山田選手はアメリカンフットボール(Xリーグ・ノジマ相模原ライズ)、栗原選手はラグビー(男子セブンズ日本代表候補合宿に参加)に挑戦した経験があります。当時のことを教えていただけますか。
- 栗原:
- ラグビーとアメフト、似ているようで結構違いますよね。
- 山田:
- だいぶ違う。ランニングバックで挑戦して、試合はキックのリターナーのみ出たんだけど、正直もうちょっとやれると思った。アメフトってボールを持っている選手にみんなで来る。
でもラグビーはスペースを守るので、そういうことはない。アメフトのプレッシャーはものすごかった。
栗がレシーバーやリターナーで活躍しているのは本当にすごいと思ったよ。
- 栗原:
- 視野も違いますよね。ギアには慣れましたか。
- 山田:
- ぜんぜん(笑)。でもあのシーズン、秋にラグビーもアメフトもやったんだけど、2日連続で試合したこともあった。アメフトはギアが重い分、おもりを持ってトレーニングをしていたようなものだったから、ラグビーがすごく調子よかったんだよね。大リーガー養成ギブスが外れた星飛雄馬みたいなもので(笑)。
- 栗原:
- ラグビーも違いましたね。特に僕がチャレンジしたセブンズは15人制とも違うのですが、身体に何も付けずにタックルに行くって信じられないです。
- 山田:
- 逆は行けるけどね。でも、栗はよくやっていたと思うよ。
- 栗原:
- 結構頑張りました。いい経験になりましたね。
- 山田:
- アメフトとラグビーって、相手をかわす動きがちょっと違う。セブンズのみんなが「栗原さんは一瞬で消えます。今まであんなステップされたことないです」と言っていたよ。
- 栗原:
- それ、言われましたね。
- 山田:
- 栗は普通にやっているだけだろうけど。
- 栗原:
- 圧倒的に違うのは、アメフトはスピードを落とさず方向転換をしなくてはいけないシチュエーションが多い。
特に僕はワイドレシーバーなので、走って止まって、90度や45度といった角度で入ったりを、基本的にすべて100%のスピードでやっている。その感覚でセブンズに入ったんですよ。スピードを上げたまま方向転換する動きが、ラグビー選手の人達からするとあまりないんでしょうね。
さっき章仁さんが言っていたように、ラグビーはスペースで守る。
アメフトは相手選手がどんどん突っ込んでくるので、減速動作が少しでも入ると後ろから追いつかれてしまうし、一人かわしてもあらゆる方向から相手が来てしまう。だから、なるべくスピードは落とさない。
- 山田:
- その動きがちょっと違ったんだろうね。
- 栗原:
- でも本当にハードでした。もう、ひたすら走るのできつかったですね。
めちゃくちゃハードで、スポーツで一番きついんじゃないか、と思いました。アメフトはあんなに走り回りませんし、しかも僕の場合、アメフトでタックルするシチュエーションはほぼない。死にそうになるぐらいきつかったです。
アメフトはラグビーに比べたら、試合後の全身の疲労感は少ないです。
- 山田:
- 僕の場合、キックのリターンしかやってないから。でもレシーバーって結構走るから、きついんじゃないの!?
- 栗原:
- 全力で走ったり止まったりがある分、レシーバーはきついかもしれません。
交代は自由にできますが、体力はあった方が絶対いいですね。でもさっき章仁さんが言ったみたいに、僕もセブンズをやっていた時はアメフトも調子がよかったです。
セブンズに挑戦したのが2015年で、僕は同じ年にNFLのベテランコンバインに招待されたんですよ。
その時に40ヤード走の自己ベストを出せました。
セブンズの合宿で、今までの自分にない身体の使い方をしたことが、アメフトでプラスになった気がします。