6月1日に関東大学ラグビーフットボール連盟主催のメディカルセミナーが開催されました。
内容は、「足関節内反捻挫予防のテーピング」で、今回で講師をさせていただいて3年目になります。一昨年はコロナ禍ということでオンライン開催、昨年今年と対面開催でした。
参加された学生の皆さんは、マネージャー、トレーナーなど背景も様々で、テーピングを全く触ったこともない人からそれなりに巻くことができる人まで、テーピングを巻く技術的なレベルも様々でした。
こういった講習会でいつも悩んでしまうのは、どのレベルの人に合わせて講習を進めていくかです。
私の信念としては、「参加者全員にテーピングを巻けるようになってもらいたい」ですので、まずは初心者の方に対しては、初めはしっかりサポートして進めていきます。
足関節のテーピングって実は一番難易度が高いと言っても過言ではありません。膝関節や肘関節のように円柱に近い形態の関節ではなく、L字型の関節にテープを巻くのは初心者の人にとってはなかなかハードルが高いのです。
でも、なぜかテーピングの講習会って足関節のテーピングが基本になっています・・・(私も学生時代にテーピング講習会行った際は足関節のテーピングでした)
一般社団法人 大学スポーツ協会の報告によれば、2021年度のスポーツ外傷・障害の発生部位で最も多かったのは、「足首」の23.5%(192件)で、このような実態が背景にあり、足関節のテーピングは、スポーツ現場でニーズが高いのだと思います。
難易度が高い足関節のテーピングを何とか巻けるようになってもらうために、試行錯誤をして様々な工夫をしています。
通常、テーピング講習会で参加者の皆さんが最初に苦労するのが、「アンダーラップを巻く」ことです。L字型の足関節にアンダーラップを上手く巻くために何度も何度も巻くというのは非効率的でアンダーラップを無駄にしてしまいます。
参加者の方達からよく聞かれるのが「次どこに行ったら良いですか?」という言葉。巻いている途中にアンダーラップの行き先がわからなくなってしまうケース、まるで迷路の中にはまってしまったような感じになってしまい、同じところを何度も何度も巻いてしまうといったケースが多々あります。
そこで考えたのが、「足関節のランドマークにナンバリングする」という方法です。ナンバリングした部分の数字を頼りに、巻き方、順序を覚えてもらうというやり方です。「必ずこの巻き方で」というのは無いのですが、こうやって巻くとキレイに且つ、全体を覆うことができますよ という巻き方がこの巻き方で、私は推奨させてもらっています。
また、アンダーラップを無駄にしないために、アンダーラップを紐状にして、その紐を使ってまずは巻く手順を覚えてもらうことをしています。
巻く手順を覚えてしまえば、あとはアンダーラップの扱い方になるので、次のステップに進むことができます。アンダーラップを巻けるようになるまでが、最初の難関です。
参加者の皆さんが「テーピングって巻くの面倒くさい」とならないように、講習会では心がけています。
参考:大学運動部活動におけるスポーツ外傷・障害の傾向 2022年3月, 一般社団法人 大学スポーツ協会スポーツ外傷・障害情報収集プロジェクト