金木犀がほのかに香る季節になってきました。(井澤は個人的に金木犀の香りが好きです)
スポーツの秋の到来ですね。一方で、この季節は学会のシーズンでもあります。
スポーツ関係の学会の、年に一度の大会もこの秋に各地で開催されています。

 
日本体力医学会(佐賀)、日本スポーツ整形外科学会(東京)、日本アスレティックトレーニング学会(愛知)、
日本スポーツ栄養学会(埼玉)、日本スポーツ心理学会(広島)、日本臨床スポーツ医学会(新潟)などなどです。
私はこのうち、日本アスレティックトレーニング学会と日本臨床スポーツ医学会の会員になっています。

  

  

こういった学会って、どういう団体?いったい何をする会?と疑問を持たれる方も多くいらっしゃるかもしれません。そこで今回は学会について書いてみたいと思います。

学会とは、特定の学術分野や専門分野に関心を持つ研究者や専門家が集まって活動する組織です。一般的には、以下のような活動を行っています。

1)学術研究の促進: 研究発表会や学術論文の発表を通じて、新しい知見や研究成果を共有し、分野の発展を推進します。

2)情報交換とネットワーキング: 同じ分野の研究者同士が意見交換を行ったり、国内外の他の研究者との交流の場を提供します。

3)教育と研修の支援: 若手研究者や学生のための研究支援や教育プログラムを提供し、次世代の研究者育成を支援します。

4)政策提言と社会貢献: 研究の成果を社会に還元するための政策提言や社会的貢献活動を行うこともあります。

5)学術誌の発行: 分野特化型の学術誌を発行して、最新の研究成果を広く公開します。

例えば、医学の分野では学会が医学研究の進展や医療の質の向上に貢献していますし、スポーツの分野であればパフォーマンス向上や外傷障害の予防などに貢献しています。

私の所属する日本アスレティックトレーニング学会のミッションには、「アスレティックトレーナーが関わる全ての領域の科学的研究とその発展に寄与するとともに、会員相互の連携と情報交換を促進し、あわせて内外の関係機関との交流を図ることによって、アスレティックトレーニング学の普及・発展に寄与することを目指します。」(学会HPより)と記されています。

つまり学会とは、それぞれの分野、職域の人たちの組合的な組織と言い換えることができるかもしれません。

昨今、アスレティックトレーニングの世界では、エビデンスに基づく実践が求められるようになってきました。エビデンスとは「根拠」という意味であり、根拠とは一般的には学術的に信頼できる研究結果に基づく根拠のことをいいます。

このような、学術的な情報を収集する場が学会であり、大会参加は最新の有益な情報を得ることができる貴重な機会です。
ただ、アスレティックトレーニングにおいては、エビデンス=科学的・学術的根拠ということではなく、経験や技能も考慮することも大切にしています。

年に一度の学会大会は、交流の場でもあります。何より同じ業界、分野に関わる人たちとの交流は何ものにも代えがたいものです。
開催ご当地の美味しい料理に舌鼓を打ちながら、同じ業界人同士が日ごろの悩みを打ち明けたり、語り合うこともメンタルヘルス的には重要なのかもしれません。
私が学生の頃には、学会に参加するということには無縁でしたが、学生のうちからこういった学会に参加することは、プレゼンテーションの仕方や、質疑応答の作法などを学ぶ場としても活用できると思います。
学生の方には、積極的に学会参加されることをお勧めします。


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