2025年、令和7年が幕を明けました。
私は毎年初詣に行くのですが、今年は「八方塞がり」ということで自分自身をしっかり見つめる一年にしたいと思っています。
さて、新年早々になかなかショッキングなニュースを目にしました。

1月5日開催のプロバスケットボール男子B1リーグ、滋賀vs三遠の一戦が第3クオーター途中で中断、中止が決定したというニュースです。
その理由は、滋賀のハビエル・カーター選手が試合中に倒れ、病院へ緊急搬送されたというものです。

チームは公式Xでカーター選手について、
「容態は手当により落ち着きを取り戻しましたが、病院へ搬送され治療を受けております」と状況を説明しました。
滋賀リードの第3クオーター(Q)残り1分21秒、ふらついたカーター選手は突如、コートに倒れました。
両チームの選手は一斉にスタッフや関係者を呼び寄せ、会場は騒然となりました。
カーター選手は起き上がることができず、その後担架で会場の外へと運ばれました。

関係者によると、倒れたカーター選手の状態については「会場を後にする頃には意識を取り戻した」と説明。
会場のファンからは大きな拍手がわき起こった。
続けて「救急車で病院に搬送されている。会場を出る頃にはしゃべっている姿を確認できている」とした。(スポーツ報知より引用)

※画像 京都新聞より転載

いくつかのニュースで、現場の映像を拝見しましたが、非常に的確な対応をコートサイドのスタッフの皆さんがされていたと思いました。

Bリーグは、リーグとして2023年に、命を守る(Safety)、選手稼働の最大化(Condition)、パフォーマンスの向上(Strength)を目的とし、整形外科や脳神経外科等の専門家を体制化したSCS推進チームを発足しました。
おそらく、リーグとして公式戦開催時の
EAPEmergency Action Plan)をはじめ様々な安全対策がされているであろうと想像することができます。そして、Bリーグ規約の中には、以下のような記載があります。

46条〔選手の健康管理およびドクター〕

 (1)Bクラブは、日本国医師免許を保有する専属のドクターを置き、当該Bクラブの責任において選手の健康管理を行わなければならない。

 (2)前項の健康管理における医学的検査の項目は、次のメディカルチェック項目とする。 
 ① 内科検査
 ② 整形外科的検査
 ③ 血液検査
 ④ 尿検査
 ⑤ レントゲン検査

(3)ホームクラブは、すべての試合においてアリーナ内にAEDを備えなければならない。

滋賀のカーター選手は一命をとりとめましたが、スポーツ現場における重傷事故の中に「突然死」があります。
突然死の主たる原因となるのが「心臓」だと言われています。
突然死を未然に防ぐためにメディカルチェックがあります。
心電図や心エコー検査を実施することが非常に重要で突然死の原因となりうる心臓の異常を検知することができます。

そして、バスケットボール選手は高身長の選手が多く、高身長特有の疾患に「マルファン症候群」という疾患があります。
このマルファン症候群の人は、大動脈瘤解離などの突然死の原因になる心臓血管の異常を引き起こす危険性を持っていることから併せて検査する必要があります。



スポーツ現場におけるメディカルチェックは、安全にスポーツを実施するため、さらに選手の命を守るために非常に重要であると言えます。
2025年、皆さま本年もどうぞよろしくお願いいたします。


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