
以前に「スポーツの現場におけるリスクマネジメント」というテーマで、ブログを書いたことがありました。
そして先日、非常に悲しいニュースが飛び込んできました。
4月10日、奈良市にある中学校のグラウンドに雷が落ち、部活動をしていた中学生と高校生の男女6人が病院に搬送された事故で、奈良県などによりますと、これまでに14歳男子の中学生2人が意識不明の状態となっています。(NHKニュースより)
当時、部活の顧問の先生は、「いきなり雷の音がして、生徒たちが倒れた」「練習を中断するか判断する間もなく、雷の音がなった」などと説明しているとのことです。
昨今の日本の天気は、まったく予想がつかないような急変が多いように感じます。
ですので、今回の事故も全くの想定外ではなかったのかと想像できます。
とはいえ、何か起きてからでは取り返しがつかない、常に屋外での活動前には天気予報をこまめにチェックしておくことが重要だと思います。
そして、スポーツ現場、特に屋外でのスポーツ活動時には「30-30ルール」というものがあります。ポイントは以下の通りです。
・イナズマなど雷を見てから(ピカッと光ってから)30秒以内に聞こえた場合は落雷付近と判断して、練習や試合を中断し退避する。
・雷鳴後に30分経っても次の雷鳴が聞こえなければ活動再開する。
・安全な場所に避難したら、天候を常に観察する。(スマートフォンなどで)
日々の練習や試合で判断に迷ったときは、この30-30ルールをぜひ参考にしてみてください。
また、避難する際も抑えておくポイントがあります。
・建物の中や、車に避難が理想、軒下や木の近くは危険!!
・避難する場所がない時には、足をそろえてつま先立ちでしゃがみ、鼓膜を守るために耳は手でふさぐ「雷しゃがみ」の姿勢をとること。
・電線は避雷針の代わりになるので、電線の下はリスクが低い。
春の嵐のシーズンです。この原稿を書いているちょうど今、外で雷がゴロゴロ鳴っています。
読者の皆さんも自分自身の身を守るために必要な知識と情報をキャッチして、適切な行動とるように心がけましょう。朝の天気予報で「今日は大気の状態が不安定です」なんていう気象予報士のコメントを耳にしたら、「今日は落雷の危険があるな・・・」くらいにいつも心がけておくと良いかもしれません。そして、怪しいなと思ったら、練習や試合を躊躇わずに中止することが肝要かと思います。
日本ラグビーフットボール協会では、今年2月に落雷事故防止に関するガイドラインを大幅に改訂しました。このあとさらに詳細にしたものを発出する予定だそうです。
詳細は、下記リンクをご参照ください。
https://www.rugby-japan.jp/news/53133
自然の力には逆らえないかもしれないけれど、人間の知恵を絞ってその猛威から逃げる術を身につけましょう。