第35回 2026年が始まりました‼

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 正月の風物詩として一大イベントとなっているのが「箱根駅伝」です。正式名称は、 東京箱根間往復大学駅伝競走。この大会は、全国大会つまり日本一を決める大会ではなく、単に関東の大学のローカル大会です。ちなみに「箱根駅伝」は読売新聞東京本社の登録商標 だそうです。
本大会の歴史は古く、第一回大会は1920年2月14日に開催されました。(当時は正月ではなかったのですね)そして本年は、102回目ということで歴史を感じますが、前述した通りあくまで関東のローカル大会なんです。

どうしてここまで箱根駅伝が巨大スポーツコンテンツになったかというと、1987年からのテレビ中継がきっかけです。テレビ中継により知名度・注目度が飛躍的に上がり今や知らない人はいないほどです。これによって出場大学のブランドイメージも大きく変わったことは言うまでもありません。

第102回大会は青山学院が三連覇 読売新聞より引用

 

 箱根駅伝の歴史と共に変化しているものの一つに「シューズ」があります。近年、長距離レースはどんどん高速化してきており、その要因の一つに「シューズ」があげられています。図1は、2021年ちょうど5年前の第97回のシューズ着用率を示した図です。この頃いわゆる厚底シューズが非常に注目されてきて、一世を風靡しました。この大会はナイキ社の圧勝であったという事がわかります。

(図1 https://note.com/saitotetsu より引用)

 

一方、図2は、今年の第102回大会の着用率を示したものです。5年前に僅かに着用率約2%だったアディダス社が一気にシェアを伸ばし、着用率0であったアシックス社が台頭していることがわかります。

(図2 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF030B60T00C26A1000000/ および https://www.instagram.com/tempo_jpn/ より引用)

こういった各ブランド間の競争は、ここ数年で激しさを増しています。そして、選手のパフォーマンスに与える影響は大きく、年々記録は更新され続け今大会も大幅に記録が更新されました。もちろん、近年のトレーニング方法の進化による選手たちの身体能力の向上があっての記録更新でありシューズだけが理由ではないと思いますが。。。

一方で、このような厚底シューズの着用が、今までのスポーツ外傷障害に大きな影響が出ていることも明らかになってきました。いわゆるランニング障害といわれている外傷障害の発生部位に変化が出てきたというものです。厚底シューズのような高反発シューズの着用により骨盤周囲や大腿骨の外傷障害が増加傾向にあります。

われわれアスレティックトレーナーとしては、このような変化に対応すべく、どんな対策が必要で、どんなコンディショニングやリコンディショニングを選手に提供すべきかを検討する必要があります。 選手がシューズに操られるのではなく選手がシューズを操れるように、身体能力を強化する必要があるのかもしれません。こういった取り組みには、ドクター、アスレティックトレーナー、指導者、研究者がそれぞれの立場で知恵を出して連携することが重要だと思います。

 

参考文献
植山剛裕, et al. "男性長距離走選手の厚底シューズの着用がランニング障害に及ぼす影響." 日本臨床スポーツ医学会誌/日本臨床スポーツ医学会編集委員会 編 30.3 (2022): 758-763.
植山剛裕, et al. "男性長距離走選手の厚底シューズ着用がランニング動作に及ぼす影響の検討." 日本臨床スポーツ医学会誌 33.1 (2025): 77-84.

 


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